未来塾とは

レッスン内容

講師・曽我部氏の提唱する合理的な現代奏法(姿勢・持ち方・ピストンの押し方・呼吸法・タンギング・ リップスラー・ペダルトーン等)を初歩から上級編まで。
初めて出会う曲の攻略法・アナリーゼ。アンサンブル練習を通しての具体的な曲作り、上達法。

  レッスンで使用するウォーミングアップテキスト*是非予習しておいてください。

“未来塾”という名前

この未来塾という名前は2000年に和歌山県美里町で行われた曽我部清典トランペットミュージックキャンプの会場の名前から取られています。小学校の廃校跡の改装棟と新しく立てられた事務棟でこの未来塾はなっていますが、元教室の窓や廊下のたたずまいは、私くらいの年代には懐かしい木造の校舎です。また車通りのある道から細い道へ、寺の境内を通り抜けた山の中腹に位置し、音楽と自然の音以外は全く入らない、深く音楽と向き合うには、最適の場所だと私は思っています。また、参加した自分以外の音楽に刺激されることもあるでしょう。第1回のキャンプ打ち上げの際に、当時未来塾塾長の中前さんの熱き想いに触れ、その後お許しを頂いて、それ以来曽我部清典ミュージックキャンプを「曽我部清典トランペット未来塾」と改名しました。すべての参加者の未来のために少しでもプラスになれば幸いです。

「トランペット未来塾」にかける思い – 曽我部清典

トランペットを愛する皆さん、こんにちは。私のレッスンは、まず自分の身体との対話から始めます。人と比べる必要は全くありません。それは芸大時代に影響を受けた野口三千三先生の体操及び理論に基づいています。皆さんは、自分の「重さ」を感じたことはありますか?息を吸い力を抜くと、息が勝手に出て、その息が唇を震わせて「音」が生まれます。そして、音楽は皆さんがこれまで生きてきたすべてのことの表現でもあります。
 もう随分前になりますが、パソコン通信のとあるフォーラムで、メールによる質疑応答形式の「オンラインレッスン」を始めました。その後、インターネットの導入に伴い、自分のホームページを開設しました。トランペットを愛する人たちから毎日メールが届き、いろんな相談に乗っています。今や情報は、私たちの子供の頃とは違って、溢れ返っています。いろんな情報に惑わされている人のなんと多いことでしょう!メディアを読み解く力が不足しているように思います。一人一人の悩みにお答えしましょう。たくさん質問を用意して、私の「未来塾」にやって来て下さい。

三日間の意味

新居浜・和歌山の場合は3日間のレッスンですが、岡崎は2日間です。そこで少しアンサンブルを減らしたりはするのですが、かなりタイトな日程になっています。他の会場で2日間でやる内容を、1日目にやらなくてはいけません。その為、体験版の場合はレッスンの時間もちょっと少なくなります。その辺りを理解して頂ければ、体験レッスンも歓迎です。

なぜ、3日間なのか?その辺りもちゃんと説明しなくてはいけないですね。

1日目:私のメソッドに従い、基礎レッスンをしてゆく。もちろん質問はどんどんして良いですが、ある意味私から受講生へ一方通行的になります。
2日目:1日目と同じメソッドをやってゆきますが、今度は私は余りしゃべらず、受講生がちゃんと理解してやっているかをチェックしながら、レッスンを進めます。誤解していたり、レッスンの狙いがわかってないような生徒にはその都度チェックを入れます。チェックされた箇所を、個人個人が練習してゆきます。
3日目:この日も同じメソッドを使いますが、この時点では、一人一人、自分の長所短所を感じながら、ある程度カスタマイズされた練習方法ができるようになっていると思います。

私に言われてやる練習ではなく、自分の身体の感覚と対話しながら練習する方法を、皆さんが見つけてゆくのです。
この1日目と2日目を、岡崎では1日目でやります。その為、午後3時頃までが1日目と考えていいと思います。
時間は多少前後すると思いますが、私のメソッドを説明し終わったところで、基礎レッスン終わりと考えて下さい。

トランペット未来塾一日版の開催について

 当初より「トランペット未来塾」は三日制で行なってきました(岡崎は二日制ですが、一日目を2つのセクションに分けています)。それは前述したように、一日制のレッスンではちゃんと私からの思いが伝わるかどうか不安だったからです。目の見えない人に『象ってどんな動物?』と聞かれた時、鼻を触った人は「ホースのよう」だと思うだろうし、足を触った人は「大木のよう」だと思うでしょう。そういう誤解を避けたかったのです。アマチュアの世界には誤解が独り歩きするケースが少なくありません。そうした心配から考え出したのが三日制でした。

 一日目は(基本的に)私から提案したものをやってもらいます(ご質問は常時受け付けます)。二日目は受講生が自分なりに感じたことをやってみて、それに対して私がコメントをします(誤解のないように説明や訂正を加える)。そして三日目は誤解のないところで、発表会に臨んで、その結果から次への課題を各々が持ち帰って練習してもらい、一年後またお会いしましょう!という流れでした。

 そんな中、ある地方での開催の時に、関東から参加してくれた方が居ました。その方が帰り際に「関東ではやらないんですか?」とおっしゃって下さって、そこから検討を始めました。ここでも私は二日制ないしは三日制に拘っていました。関東には安価で宿泊できて楽器を自由に吹けてというような施設が見つかりませんでした。

 どうにかできないものかと思い悩んでいるうちに「そうか、年一回と思うから誤解が気になるんだ、数ヶ月に一回できれば大きな誤解も生まれないだろう。ホームレッスン生にも参加してもらえれば、生徒間のやり取りもあるので、大丈夫かな?」と思うようになりました。「会場も私の自宅マンションの会議室を借りれば面倒はなさそうだ。」と思い、その年の冬に関東未来塾一日版を開催しました。それからおおむね季節ごとに一度開催しています。重ねて参加してくれる受講生への効果は上がっているように感じています。それでも一度だけ参加して下さってそのままなんの連絡も頂けない方は、やはりちょっと心配です。一度でも未来塾に来て下さった方は、未来塾のホームページに書き込んで下されば、お返事しますので、気軽に質問など送って下さい。実際に演奏しているところを見てみないと答えられないこともありますが。

 愛媛での開催は20回を超えましたし、岡崎もそろそろ20回が近づいています。毎回参加して下さる方もたくさんいらっしゃるので、愛媛や岡崎ならそろそろ一日版を開催しても誤解を生じることは無いだろうと思っています。和歌山はコロナの影響もあって中断していましたが、こちらも20回を超えスタッフの皆さんも変動がないので、きちんとフォローしてくれるものと思います。そんな経緯から一日版の開催に踏み切りました。少しでも多くの方々と、音楽を、トランペットを語り合いたいと思っています。

2023年1月
曽我部清典